あおとの本棚

読んだ本の内容や感想をつづっていきます。 独断と偏見による評価は最大★5つ。

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「こどもの一生」

こどもの一生 (集英社文庫)こどもの一生 (集英社文庫)
(2006/07)
中島 らも

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2009年読了9冊目。(総合54冊)
あおと評価:★★

内容(「BOOK」データベースより)
瀬戸内海の小島をレジャーランドにするためにヘリを飛ばし下見に来た男二人は、セラピー施設に治療のためと称して入院し一週間を過ごすことになった。
しかしすでにそこには女二人、男一人の患者―クライアントがいた。
五人は投薬と催眠術を使った治療で、こども時代へと意識は遡る。三分の二は笑いに溢れ、最後の三分の一は恐怖に引きつる。鬼才・中島らもが遺した超B級ホラー小説。



「ガダラの豚」を読了後に読んでしまったので、どうしても「ガダラ」の
二番煎じ的な印象を受けました。
肝心なところのアイデアが、「ガダラ」と一緒だからです。

半分くらいまでは、だらだらと話が続いていきます。

私の勝手なイメージだと、ホラー小説は3分の1が前振り、
真ん中あたりが恐怖の対象との攻防、そして、残り3分の1くらいに入ったところで絶望、
最後の十数ページでパッと急展開し、最後はめでたしめでたし。

だと思っていたので、3分の2あたりまでが前振りということにとまどいを覚え、
「あれ?いつになったら、メイン(恐怖との攻防)が始まるのかな?」
という感じでした。

「ガダラ」に比べ、こちらは「怖い」がメインだったので、
悪夢にうなされるような種類の怖さではありませんでした。
(「ガダラ」は夢に出てきそうなくらいリアルな気持ち悪さと、強烈な怖さだった)

この物語は、結構早い段階で主人公たちが10歳の子ども時代に退行するのですが、
話は10歳に退行したまま、子どものケンカシーンがメインで進んでいくので、
あまり面白さは感じません。

紹介文では、”3分の2が笑いに溢れ”とありますが、うーーーーん。。。
最後は、紹介文通り”恐怖に引きつ”りましたが。

いるはずのない人物「山田のおじさん」(この人が怖いんです)が、
なぜ出てきたのか、最後はなぜ助かったのか、が理由がまったくわかりません。

もちろん何となく推測することはできますが、それにしても納得がいかない。

ホラーだから、そんなことを考える私がナンセンスなの??
とも思いますが、はっきりしないと気持ちの収まりがつかない私としては
なんだかすわりが悪い作品でした。

「こどもの一生」というタイトルもしっくり来ません。
どうしても内容とタイトルがずれてしまっている、という感じが否めません。
もう少し違う他のタイトルでもよかったはず。

後ろのあらすじを読んだ時は、勝手に全然違う話を想像して買ったのですが、
ちょっと「ガダラ」を読んだ後では、期待はずれだったかな。
順番を逆に読んだら、もしかしたら少しは面白かったかもしれません。

もともとこの物語は、劇団用に書かれた脚本を小説に直したものだそうなので、
舞台で見たら、面白かったのかもしれませんね。

「ガダラ」くらい面白いのかも!と期待が大きかっただけに、評価は★2つ。
「ガダラ」より先に読んでいたら★3つだった・・・・かもしれません。
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「ガダラの豚」

ガダラの豚〈1〉 (集英社文庫)ガダラの豚〈1〉 (集英社文庫)
(1996/05)
中島 らも

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ガダラの豚〈2〉 (集英社文庫)ガダラの豚〈2〉 (集英社文庫)
(1996/05)
中島 らも

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ガダラの豚〈3〉 (集英社文庫)ガダラの豚〈3〉 (集英社文庫)
(1996/05)
中島 らも

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2009年読了8冊目。(総合53冊)
あおと評価:★★★★

1巻 内容(「BOOK」データベースより)
アフリカにおける呪術医の研究でみごとな業績を示す民族学学者・大生部多一郎はテレビの人気タレント教授。彼の著書「呪術パワー・念で殺す」は超能力ブームにのってベストセラーになった。

8年前に調査地の東アフリカで長女の志織が気球から落ちて死んで以来、大生部はアル中に。
妻の逸美は神経を病み、奇跡が売りの新興宗教にのめり込む。大生部は奇術師のミラクルと共に逸美の奪還を企てるが…。超能力・占い・宗教。現代の闇を抉る物語。まじりけなしの大エンターテイメント。
日本推理作家協会賞受賞作。



2巻 内容(「BOOK」データベースより)
大生部一家はテレビ局の特番取材で再びアフリカへ旅立つ。
研究助手の道満、スプーン曲げ青年の清川、大生部の長男納、テレビのスタッフ6名。
一行はケニアとウガンダの国境沿いを北上してスワヒリ語で「13」という意味の不吉な村、クミナタトゥに着いた。
村民に怖れられる大呪術師バキリの面会に成功した一行は最大の禁忌を犯す。
バキリのキジーツの少女を攫ったのだ。危機一髪。ケニアを後にする。日本推理作家協会賞受賞作。



3巻 内容(「BOOK」データベースより)
通訳のムアンギ、テレビクルーたち。6人もの犠牲者を出して大生部は娘を取り戻した。
「バナナのキジーツ」の志織を奪いに呪術師バキリは東京に来ている。
番組関係者の回りでは次々奇怪な事件が起こる。司会者嬢の惨殺、清川の変死。
元・プロデューサーの馬飼は大生部一家と大呪術師バキリが対決する生番組を企画した。
光と影、呪いと祈り。テレビ局の迷路でくりひろげられる世紀末スペクタクル大団円。日本推理作家協会賞受賞作。



さて、本のあらすじは上記に紹介した通り。
普通、本の後ろのあらすじは、少し余韻を残して書いてあり、読者の購買意欲を
そそるものですが、この本に関しては内容は書いてあるままです。(笑)

読んだ後も「本当にその通りのストーリーだったな」と思う珍しいあらすじ。(笑)
あえて、3巻だけがオチを書いていないという親切さが多少残されているくらいでしょうか。

そんなあらすじの話は、さておき。

結論から言えば、非常に面白いです。
中島らもは、自分ではおそらく一生手にすることのなかった本だと思いますが、
「面白いよ」と薦めていただいたので、手に取ってみました。

1巻の最初から、ページをめくる手が止まりません。

1巻を買った時点では、まだ2・3巻を購入していなかったのですが、
「買っておかないと、(早く先が読みたくて)イライラすることになるよ」
というワクワクな助言をいただいたので、amazonでポチッとクリックして買ってみました。

正解でした。

あれよあれよという間に、3巻まで進んでいき、途中でだれることなく、
一気に文字がスーッと入って来ました。
小難しい言い回しも出てこない。「あれ?」と立ち止まってしまう難解な文章も出て来ない。
ただひたすらに出来事をサラサラッと書いてあるのに、内容はどんどん頭の中に入ってきて、まるで体に染み渡るポカリスウェットのような本でした。

「ガダラの豚」というタイトルも秀逸だと思います。

プロローグの前にある引用文にすでに「ガダラの豚」のことが出てきて、
わかったような気になるのですが、

物語が進んでくると、それについて詳しい説明があり、
「なるほど、物語とこう絡んでくるのか」と分かり、
最後の最後でまた「あぁ、今思ってみれば、まさに”ガダラの豚”だったなぁ」と、
後々じわじわとパンチが効いてくる題名です。
(え?意味がわからない?本を読んでみてくださいw)

アフリカの呪術に始まり、アフリカの呪術で終わる話ですが、
常に超自然的な現象はトリックですべてあらわせるよ、というスタンスを取っているのが
1巻と2巻。

人間はそれでも心のどこかで”本物の”超自然的な力に憧れ、崇拝し、
それを肯定したがっている、というのが3巻。

こんな風に書いてしまうと、面白いお話が台無しのような気がします。(笑)

小学生の感想文風に言うと、1・2巻は呪術についてのお勉強もしながら、
ハラハラドキドキワクワク。

3巻は、ひぃぃぃっ!と血も凍りつくようなドキドキ感満載のホラーテイスト。
正直、3巻の描写はゾーッとします。人が死にまくります。
私は、読み終わった夜は1人で眠るのが怖くなりました。(笑)

でも、ラストは救われるようなオチですので、どうかご安心ください。

格好悪いけど主人公の大学教授は人懐っこくて、どこか憎めません。
美しい奥様は、頭脳明晰ゆえに変な宗教にだまされますが、
目が覚め、開き直った女は賢く強く、勇敢です。
息子は無邪気で何も知らない少年でしたが、どんどん成長を遂げます。
教授の弟子は、人が良く、学者なのに屈強な心と体の持ち主です。

彼らが活躍する様は、見ていて爽快で、引き込まれてしまいます。
私はご飯を食べるのを忘れて(笑)読みました。

さぁ、「ガダラの豚」、騙されたと思って読んでみてください。



#ちなみに、★が4つなのは、単純に私がホラーが超苦手というそれだけの理由です。(笑)
 面白さだけでつけたら、★5つになります。

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プロフィール

あおと

Author:あおと
本好きの29歳。
ミステリ、文学、エッセイ、ファンタジーが得意。たまには、ホラーやマンガ、
絵本も読んでみたり。

隙間があればすかさず本を読んでます。

今のところのお気に入りは、
「夏のレプリカ」森博嗣
「黒と茶の幻想」恩田陸
「木曜組曲」恩田陸
「カラフル」森絵都  などです。

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