あおとの本棚

読んだ本の内容や感想をつづっていきます。 独断と偏見による評価は最大★5つ。

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「理由」

理由 (新潮文庫)理由 (新潮文庫)
(2004/06/29)
宮部 みゆき

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内容(「BOOK」データベースより)
東京都荒川区の超高層マンションで起きた凄惨な殺人事件。殺されたのは「誰」で「誰」が殺人者だったのか。そもそも事件はなぜ起こったのか。事件の前には何があり、後には何が残ったのか。ノンフィクションの手法を使って心の闇を抉る宮部みゆきの最高傑作がついに文庫化。



あおと評価:★★★★

今年最初に読了した記念すべき1冊目。
題名の「理由」が知りたくて読みました。

実は、先に映画(DVD)から見てしまったのだが、どうも映画には省略されているところがあるらしく
肝心な犯人の心理がよくわからなかったので、古本屋で小説を買って読んでみたわけです。

なので、どうしても小説と映画を比較してしまうのですが、映画は及第点でした。

小説を原作としている映画というのは、大体読者が見ていて「違う!」と声を
あげてしまうものが多いのですが、「理由」の映画はほぼ原作に忠実に作られていました。

小説は、事件の関係者が、インタビューに一方的に答える形でつづられていくのですが、
映画の映像もまさにその通りでした。
話している内容もそのまま(文章的)で、逆に、見ていて堅苦しいところもあったくらいでした。

ただ、残念な部分があるとすればそれはテーマです。
小説と映画では肝心なテーマが違っているのです。

小説では「家族とは一体なんぞや」でしたが、
映画では「殺人事件が結ぶ(家族や人同士の)絆」がテーマになっています。

ほぼ原作に忠実に作ったんだから、解釈くらい俺色にしないと俺の映画にならんだろうが、
ということでしょうか。

読者としては、そこまで忠実に作るんだったら、最後まで忠実に作ってくれたらいいのに…
という感じですが、小説が原作の映画にそこまで求めるのは贅沢なのかもしれません。

まぁ、それを含めて映画は85点で、原作ありの映画としては優秀な方だと思います。

小説の話に戻りますが、「理由」のように”家族”をテーマにした小説はいくつかあるようです。
未読なので定かではないのですが、どうやら「模倣犯」や「R.P.G」もそのようですね。

しかも、「理由」と「R.P.G」は赤の他人と作った架空の家族、いわゆる”擬似家族”が出てきます。

本当の家族がいるはずの人間が、なぜ赤の他人と家族を作るのか。
家族から逃げ出したかったはずの人間が、なぜまた家族を求めるのか。

と、考えさせる作品です。

きっと人間はどんなに嫌なことがあっても、どこかで本能的に家族を求めているのでしょう。
人間は群れて生きる生き物です。

どんなに人嫌いな人でも、やはり死ぬときには誰かに会いたいのではないでしょうか。
人生を共有してくれる誰かが、自分のことを覚えていてくれる誰かが必要なのだと思います。

それが血のつながった人間であれ、赤の他人であれ、もっとも理解してくれる身近な人間ならば
誰が何と言おうと”家族”と言えるのでしょう。


あなたにとっての家族は誰ですか?


そんな声が聞こえてくるような本でした。

桜らいん

ただの蛇足ですが、このレビューを書くのは実は4回目です。
作業中にいきなり記事が消えるという事故に凹みつつ頑張って書きました(ノ▽`)
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プロフィール

あおと

Author:あおと
本好きの29歳。
ミステリ、文学、エッセイ、ファンタジーが得意。たまには、ホラーやマンガ、
絵本も読んでみたり。

隙間があればすかさず本を読んでます。

今のところのお気に入りは、
「夏のレプリカ」森博嗣
「黒と茶の幻想」恩田陸
「木曜組曲」恩田陸
「カラフル」森絵都  などです。

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